塩山探検ルポ>>ザゼンソウ

ザゼンソウ その1
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     一風変わった形の花を咲かせるザゼンソウ。塩山市竹森にその群落地がある。旬の3月に一目見ておきたい風物詩だ。    
     
    ▼個性的な『花』の南限    

群落地への目印:県道を北上すると左側に看板が見える

公園の管理塔

立野山橋(たてのやまばし)から管理塔を見上げる

玉宮ざぜん草公園の看板

群落地の入り口には食事ができる売店もある

空中のウッドデッキが備わった遊歩道

 

   ザゼンソウ(座禅草)は、サトイモ科の多年草で山中の湿地に生えており、早春、個性的な卵形の花を咲かせる。別名ダルマソウ。尾瀬のミズバショウとも親戚とか。

 塩山市竹森の小倉山にはその群落地があり、観光スポットとして整備されている。1月に地面から芽を出し、2月下旬から3月頃にかけて花の盛りを迎える。ちなみに、ここがザゼンソウ自生の南限地といわれている。
 場所については後述。

 そこには、多数のザゼンソウが小川とその周辺湿地に群生する。昼なお暗い木立に囲まれ、清らかな自然水で湿度が保たれているのが好条件のようだ。また、観光客用に遊歩道が回廊状に整理され、一部にウッドデッキも使われており、せせらぎの中のザゼンソウを足元に見下ろせる趣向である。

 筆者は03年3月8日(土)の午前に訪れてみた。前日からの白銀の残雪に、ザゼンソウが顔を出していた。絶好の観察日和だった。多数のカメラマンもこの時を待っていたようで、あちらこちらで機材を持つ人に出会う。
 仏炎苞(ぶつえんほう)という茶褐色の花弁に似た葉があり、この中に卵の黄身のように咲いているのが肉穂花序(にくすいかじょ)で、実際の「花」は、その肉穂花序の表面に密生している小花らしい。

 修行僧が座禅しているような姿に、ちょっとした小宇宙を感じる、というのは大袈裟だろうか。

 群落地入口の売店では、おでんや甘酒、ラーメンなどが食べることができ、体を温められる。店の人の話では、遠方からの観光客も多く、関東からは行き場所を内緒にする「ミステリーツアー」で訪れ、ザゼンソウの光景に驚くケースもよく見られるとか。

 ザゼンソウの見ごろは3月末まで。4月からは、カタクリの可憐な花が見られるようになる。

▼アクセス
 ザゼンソウ群落地の場所は、JR塩山駅から5キロほど(玉宮小学校から2キロ)北上した地点で、県道平沢千野線を登って行く。標高は約800メートル。
 バスで塩山駅南口から玉宮行きに乗車、約20分で「湯原」バス停(終点の近く)下車し、バス停からほんの少し塩山方面に戻ると左に入る道があり、道なりに歩いてゆく。
 群落地の手前には、無料の駐車場、公衆トイレ、黄色い管理塔が備わる「玉宮ざぜん草公園」がある。そこからさらに先へ、立野山橋(たてのやまばし)で竹森川を渡って、登坂を歩けばすぐに群落地へたどり着く。

▼バス時刻表
塩山駅発
 09:03
 12:00(日曜・祝日運休)
 15:00
 16:29
 17:58
玉宮(終点)発
 07:15
 09:30
 12:27(日曜・祝日運休)
 15:27
 16:56
★このバスはワンコイン(100円)で乗車可。4月以降、時刻変更の可能性あり。

 塩山市公式ページには以下のマップがある。
http://www.city.enzan.yamanashi.jp/
midokoro/map/kamikanemap.html

 

 

雪の中から顔を出すザゼンソウ

小川のせせらぎの中にも多数見られる

残雪がある日はカメラマンの注目の的に

若い仏炎苞(右側)は緑色で、葉だと分かる


カタクリの花:4月に盛りを迎える
4月にはカタクリも見られる小倉山

         

 

 

 

 

 

       

 

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